環境中に存在する低用量のポリ塩化ビフェニルが、小児の知能や運動能力の発達に影響する可能性が懸念されています。
乳児期の脳の発達には甲状腺ホルモンが関係しますが、PCBの中には甲状腺ホルモンと化学構造が似ているものがあるため、甲状腺ホルモンの作用を阻害する可能性が、メカニズムのひとつとして考えられています。
今回の研究では、1978~1982年に生まれた新生児とその母親160組を対象として、母胎内でのPCBへの曝露と、新生児の臍帯血中の甲状腺ホルモンレベルとの関係を調べた。
「母胎内でのPCB曝露」は、母親の(出産後の)初乳、その後の母乳、および血中のPCB濃度を研究の開始時に測定し、その結果をもとに推定した。
いっぼう、「新生児の臍帯血中の甲状腺ホルモン」は、出産ののち20年間にわたり冷凍保存していた臍帯血を解凍して、1998年に測定した。
その結果、主な甲状腺ホルモンであるチロキシンと、甲状腺刺激ホルモンのいずれも、PCB濃度とは関連しなかった。
この研究では、「出生前の(母胎での)」「胎児の」PCB曝露を、「出生後の」「母親の」母乳や血液のデータをもとに推定している。
この点について研究者らは、母乳のPCBレベルは母親の血中レベルや新生児の臍帯血レベルとの相関が高く、母親の血中レベルは出産の前と後で相関が高いので、「出生後の」「母親の」レベルは「出生前の」「胎児の」レベルをよく反映していると議論している。
いっぽう、甲状腺ホルモンを臍帯血で測定したことについては、出生直後の甲状腺ホルモンのレベルは不安定なので、生後数週間をへて安定した時期の血中レベルを見るほうが、本来は望ましかったと述べている。
この問題に加えて、20年も凍結保存した臍帯血を使用した点や、PCBも20年前に測定したので、PCB全体のレベルしかわからず、個別のPCB(同属体)についてのデータがない点などの限界があるために、じっさいにはPCB曝露と甲状腺ホルモンの間に関係があったのに、それをうまく検出できなかった可能性は残るという。
研究者らによると、新生児のPCB曝露と甲状腺ホルモンとの関連を調べた研究は、今回の報告のほかには、オランダからの報告が2つあるのみです。
これらの研究では、PCBにより甲状腺ホルモンが低下する場合も、低下しない場合もあり、結果は一致しないということです。
数百組の母子に対して、何度か母乳や血液を採取して、PCBや甲状腺ホルモンを測定することは、研究としてそれほど実施困難ではありません。
額縁を問題に少しずつ取り込ませて根本的な額縁の改善を期待する方法。